カラクイの調整と弦の巻き方

三線屋に行ったり、三線のネットショップをご覧いただくと、カラクイ単体で売られているのを見かけると思います。見た目の意味でも好きなカラクイに変更したい方もいらっしゃると思いますし、カラクイが滑ってチル(弦)が巻き戻ってしまうのでカラクイを変更したい、という方もいると思います。

 

ご自身で購入してカラクイ調整する方もいらっしゃるのですが、知識と経験、スキルが必要なので、このページにてその内容を紹介できればと思います。おすすめは、やはり自分で試行錯誤するよりも、三線を購入されたお店にてカラクイの調整、交換をしていただくのが無難です。

そもそもですが、三線はすべて手作りで作られているため、製作する職人によって天や棹の形状は異なります。ということは、カラクイを挿す穴の大きさも当然ながら異なるわけです。それでも、カラクイ自体がお店で売られていますので、一見簡単に交換できるようにみえます。

 

よく知らない方は、買ったカラクイをそのまま三線につければうまくいくと思う方もいると思いますが、残念ながら簡単にはいきません。

 

カラクイが太く、穴が小さい場合はカラクイを削れば良いのですが、逆の場合は対応が難しくなります。よって、無難なのは三線屋に調整そのものをお願いするのが良いです。


ご自身でカラクイを調整される場合は、写真のようにカラクイの差し込まれる部分が、穴全面に当たるように削ります。これを削りすぎても、削らなすぎても止まらなくなりますので、加減が必要です。

 

また、三線も木、カラクイも木ですので、この両方の木が滑り安い材質ですとカラクイが滑ってしまいます。

難しいところなのですが、最高の材質で作った三線に最高の材質のカラクイをつけるとうまくいくかというと、必ずしもそういうわけでもないのです。

 

うまく木と木が噛み合って適度に周り、止まる。相性を見ながらカラクイを選定し、調整することをおすすめします。



チルを通す穴を開ける場所は?

カラクイのどの部分に穴を開け、どちら側に絃を巻くかを図にしています。この穴の位置がそもそもよくないことが多々ありますので、ご自身のカラクイを確認してみてください。

 

写真の赤い点の部分が穴をあける場所です。男弦の場合、カラクイの根元に近い側に穴をあけ、カラクイの先端に向けて絃を巻いていきます。結果的に巻き終わりの部分がそのまま男弦の位置にくるように巻くと、巻き戻りが少なくなります。

 

同様に、中弦は逆に先端側に穴を開け、根元に向けて巻いていきます。女弦も先端に穴をあけ、根元に向けて巻いていきます。


カラクイの種類と値段

みなみ三線店でも、象牙をあしらったカラクイや、翡翠をつけたカラクイ、カラフルな色のカラクイなど、何種類かのカラクイをご用意しています。

 

値段の違いはずばり、使われる材質の値段です。象牙は希少ですので当然高くなります。

高い = 良いカラクイという意味でもなく、材質の違いによる値段の差とお考えください。前述の通り、ご自身の三線の木にあったカラクイというのが演奏上は大事になるかと思います。

 

しかしながら、愛用する三線を着飾りたいという気持ちも当然起こるものです。象牙のカラクイはやはり風格があります。そんな時こそ、ご相談ください。


弦(チル)の太さについて

最後に弦(チル)の太さについてです。

 

一般的によく使われる弦は2号弦で、数字が低くなるほど弦が太くなります。特に弦の号数を変えると大きな変化があるわけではないのですが、古典の方は少し太めの1.5号弦を利用されるケースがあります。

 

このあたりは好みの問題もあると思いますので、迷った時は2号弦をご利用いただくと良いかと思います。